『聖剣伝説2』感想・レビュー。狂うほどプレイしたアクションRPGの元祖たる存在

聖剣伝説2のパッケージ

今回は私の愛しに愛した『聖剣伝説2』について語りたいと思う。

この『聖剣伝説2』はスクウェアから1993年8月6日にスーパーファミコンで発売された。

2018年2月15日にはリメイク作品である「聖剣伝説2 SECRET of MANA」がPS4・Vita・PCで発売されている。

恐らく私が最も周回プレイをしたオフラインゲームで、3年以上に渡ってほぼ毎日何千回とクリアを繰り返した記憶がある。

発売当時の私はまだ幼く、一つのゲームを何度もクリアすることは珍しくなかったのだが、とりわけこのゲームのクリア回数は異常だったと今となって思う。

このゲームのどこにそんなに惹かれたのだろうか。

聖剣伝説2 スーパーファミコンクラシックミニ公式

聖剣伝説2 SECRET of MANA公式

 

>>『聖剣伝説3』のレビューはこちら

ゲーム概要:聖剣伝説が『聖剣伝説』となった作品

ジャンルで言えば見下ろし型視点の2Dアクションゲームで、ゼルダの伝説やイースに近い。

主人公の青年ランディが、ひょんなことからマナの聖剣を引き抜いてしまうところから物語は始まる。

今まで誰も引く抜くことができず、その存在を隠されていたマナの剣、そしてその力を狙う「帝国軍」とそれに抵抗する勢力。

様々な思惑や争いに巻き込まれながら、大臣の娘や妖精族の子とマナの力を封印するために世界中を冒険するという物語だ。

アクションロールプレイングの元祖となる画期的な戦闘システム

本作は「モーションバトル」と言われるバトルシステムを採用したゲームだ。

基本はアクションゲームでフィールドをシームレスに自由に移動しながら攻撃や回避を行うことができる。
しかし、攻撃・ダッシュは行動するたびに数秒インターバルを置く必要があり、連打すると威力や移動距離が激減してしまう。このことにより、単純な攻撃連打ではなくタイミング良く行動することが必要となるシステムとなっている。

このシステムは本当に良く作りこまれており、攻撃に必要なインターバルと敵のダウン復帰の時間がほぼ同時であったり、タイミング良く行動することで産まれるリターンがこと細かに配置されている。

また、アクションゲームでありながらRPG色が強く、レベルや装備の概念がありゲーム進行に大きく影響する。さらに様々な魔法やアイテムを使うことができ、レベルを上げることで様々な必殺技を使用することができる。とりわけ魔法は強力で、選択中は時間が止まる上に、必中かつ高威力なものが多く、ボス戦では魔法が多用される。

このようなゲームは「アクション・ロールプレイング」というジャンルとして呼ばれるようになり、後のゲームに大きな影響を与えている。

FF外伝から独立した「聖剣伝説」

また、本作は2作目であるが、1作目とは独立している。

1作目は「FF外伝」という名前が付き、FFシリーズのドット絵や魔法名などが一部使われていたが、今作からはFF部分が排除され、ほぼオリジナルとなった。

また、本作はシリーズ唯一のミリオン突破作品であり、1作目がゲームボーイ、本作はスーパーファミコンであることなどから、1は知らないが2は知っているという人も多いのではないだろうか。

自分もその一人で、当時は1作目をプレイしたことは無かったし、存在も知らなかった。

名実共に、聖剣伝説が聖剣伝説として完全に独立し、有名となったきっかけの作品なのである。

「アクションゲーム」で世界中を旅するゲームは意外にも少ない

このゲームは概要でも述べたように世界中を旅するゲームだ。

失われて久しいが、昔のRPGゲームはドラクエやFFの影響もあり、ワールドマップがあって世界中を旅するものゲームは少なくなかった。

しかし、アクションゲームで世界中を旅するゲームとなると一気に数が少なくなる。

アクションゲームという性質上、ステージクリア型のものが多く、ましてや様々な街があったり特別な移動手段があるようなゲームは多くない。

「ゼルダの伝説神々のトライフォース」や「がんばれゴエモン」シリーズなど、ある程度マップを移動できるゲームはあったが、一地方であったりと世界の規模は小さめに収まっている。

対して本作は田舎の村から始まり、霧に包まれた森、大砂漠、妖精の村、雪に包まれた氷の国、南国リゾート、帝国、海洋国家に古代大陸……まだまだ書ききれないほど数多くの場所を旅することになる。

そして一つ一つの場所で様々な設定やストーリーがあり、より世界観の奥深くへと入り込める。

また、ゲーム後半ではシリーズお馴染みの空を飛ぶ移動手段「フラミー」が手に入るので、改めて世界の広さを体験することができる。

3D的に描かれた空に浮かんでいる場所に突入するという表現はとても画期的でワクワクさせられた。

やはり、空を飛ぶ乗り物なのだから、たんなる障害物を乗り越えるものではなく、空に浮かんでいるものに突入したいのである。

ファンタジーだと思っていたら電車にゾンビに空飛ぶバイク!?

この「聖剣伝説2」は良くある剣と魔法のファンタジーな世界観を持つゲームだ。

ノームの洞窟や妖精村、伝説の聖剣などいかにもなものが良く登場する。

と思っていると、わりと序盤から空飛ぶバイクに乗ってくるボスや、神殿の地下に電車が走っていたり、乗客は全てゾンビだったり訳が分からないことになってくる。

それもそのはず、聖剣伝説2の世界は高度な文明が滅びたあとの世界だからである。

単純なファンタジー世界ではないこのような世界観をスーファミの時代に表現しきっているのは同社の「クロノトリガー」を彷彿とさせる。スクウェアは他にも「ライブ・ア・ライブ」のように、一筋縄ではいかないSF要素を盛り込んだ世界観をゲーム内で表現することがとても上手だった。

そして、そういった設定を匂わせる程度に散りばめられているので、世界観により深みが増している。

マナの力を封印するために各地の神殿に住まう精霊達の力を得ていくのだが、そのうちの月の神殿は過去「ぷらねたりうむ」と言われていたり、浪漫溢れる考察には事欠かない。

マナの剣を持てる聖剣伝説

『聖剣伝説2』は様々な種類の武器を扱え、好きな武器で戦うことができる。

このシステムは一旦「聖剣伝説3」で廃止され、「聖剣伝説LEGEND OF MANA」で復活する。

その中で、復活しなかった要素が「聖剣」を装備できるという点だ。

やはり聖剣伝説なのだから聖剣を持って戦いたい。

聖剣、別名「マナの剣」は「聖剣伝説1」では終盤の最強装備「エクスカリバー」として登場する。

聖剣は時代によって様々な呼び名で呼ばれていることがプロローグで判明するので、「聖剣伝説2」においても、マナの剣はレベルに応じて様々な伝説の剣の名前に変化する。

しかしこの剣、聖剣伝説3ではやっとの思いで見つけてもすぐに奪われてしまう。そしてそのまま装備ができないまま終わってしまうのだ。
「聖剣伝説LEGEND OF MANA」に至ってはマップを生成するためのアイテムでしかない。

ゼルダの伝説でいうマスターソード的存在なので、聖剣伝説シリーズのファンとしてはこれだけでも評価が爆上がりとなる。

「聖剣伝説4」はファンの間ではたいへん厳しい評価になっている。

スーファミの限界に挑戦した哀しげで壮大な音楽

『聖剣伝説2』はその音楽も魅力的だ。

菊田裕樹氏によって手がけられた音楽は哀しげで胸を打つ曲が多い。
それでいてバトル曲は練り込まれた計算されつくした熱さがある。

例えば、ボス戦曲は初めは劣勢を描き、後半になると一気に盛り上げる構成となっている。
これはプレイヤーが最初は苦戦し、後半は反撃していることを想定したストーリー性のある曲となっている。

今でこそ珍しくない戦闘中の場面展開に応じた曲の変化を、スーファミ時代に表現するという変態染みた離れ業をやってのけているのだ。

そしてその音楽達は、「ゲーム音楽の限界に挑戦」をコンセプトで作られており、スーファミの同時発音数全てを最大限に使っている。

そのため、何かしらのアクションを起こし続けるとサウンドエフェクトが競合するという現象を起こす。

それほどまでに限界まで作り込まれた音楽ということである。

キングダムハーツやストリートファイターⅡなどの作曲で有名な下村陽子氏が「この人はおかしい」とまで評したほどだ。

アイテムや魔法を使うだけでも面白い独特なエフェクトと効果音

効果音やエフェクトも素敵だ。

各種魔法やアイテムのエフェクトがとても綺麗なのだ。

そしてアイテムを使ったときの独特の音や、魔法の一つ一つ作り込まれたエフェクトの数々は使っていてとても心地良い。

画期的だったアイテム使用UIの「リングコマンド」の快適さも相まって、操作していてとても心地のいいプレイ感覚に包まれる。

アイテム名も独特で、まんまるドロップやプイプイ草、ぱっくんチョコなど、つい口に出して言いたくなる。

上記のエフェクトや音も相まって、アイテムを使うのすら楽しくなっているのは流石のスクウェアだろう。

致命的すぎるバグの数々

実は『聖剣伝説2』にはバグがある。

それもボス戦直後にセレクトボタンを押したらフリーズするといった簡単に再現可能なうえに致命的なバグが複数個ある。

思い出したかのようにスーファミを引っ張り出してプレイすることがあるのだが、だいたいどこかのボスでバグる。

今ではバグる方法が分かっているので回避できるが、当時の自分はこれほどのバグの中よく狂うほどプレイしたものだと思う。

というか当時はバグった記憶がない。

本能で回避していたのだろうか?

そしてそれだけのバグがあるにも関わらずミリオンを突破するのだから、それ以上の魅力があるということなのだろう。

ヒロインが主人公に一切興味を持たない斬新すぎるキャラ設定

今ではありえない設定であるが、本作のヒロイン的存在である「プリム」は最初から恋人がおり、道中も一切主人公達に靡くことはなく、エンディング後も普通に恋人の居るところに帰っていく。

そもそも旅の目的も攫われた恋人ディラックを助けにいくという、どっちがヒロインか良くわからないことになっている。

主人公パーティでカップリングを匂わせるキャラを一切配置しないのは、今ではかなり珍しい設定であると言えるだろう。

また本作は魅力的なキャラクターが数多く登場する。

200歳幼女のロリババァである「ルサ・ルカ」は人気が高く、リメイクでは釘宮ボイスで喋るという優遇ぶり。金にがめつい商人の「ニキータ」や陽気な頼れるドワーフの「ワッツ」など、シリーズを通して人気のあるキャラクター達も沢山登場する。

各地で出会う妖精達はそれぞれ個性豊かであるし、リメイクで追加されたセリフではそれぞれの裏の顔なども覗かせて実に面白おかしく描かれている。

ドット絵の彼らも表情豊かであるが、リメイクでは3Dで動くのでこれも必見である。

また、もう一人の仲間キャラ「ポポイ」は妖精族であり小さくとても可愛いのでとても人気がある。余談ではあるが、彼は一人称が「オイラ」だが、公式設定で両性である。

 

あっ……。

余談:主人公の村が薄情すぎる件について

当時寂しいと感じていたことがある。

主人公が住んでいる村は、聖剣を抜いたことで追い出されてしまう。

これはエンディングまで何度戻っても絶対に入れないし、会話に変化がない。

EDでは村に戻っているとはいえ、長い道中で少しぐらい会話の変化が欲しかったなと思うことがあった。

「英雄伝説 空の軌跡」のように少し進んだら全てのセリフが変化するような作り込みをされても困るが。

まとめ: 今やると厳しいものがあるが、やはり名作

たまにやると、最近のゲームに慣れ過ぎて戦闘システムが遅すぎてストレスが溜まったりすることが多い。

というか、魔法無双に出来るとはいえ、普通に戦うとわりと敵が強いうえに道中も長い。

ボス戦はめちゃくちゃ楽しいのであまり気にならないのではあるが。

リメイク作品である「聖剣伝説2 SECRET of MANA」は賛否両論であるが、基本的には原作に忠実であるし、フルボイスかつ会話が追加されたことだけでもファンには最高の一品だろう。

プレイしたことが無い人も原作はSwitchの「聖剣伝説コレクション」でもプレイできるので、是非ともプレイしてみてほしい。

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