こんにちは。マスティ(@masty_cafe)です。
ついに据え置き機での正統続編新作が出ましたね!
そんなポケモン剣盾こと『ポケットモンスターソード・シールド』をプレイして思いが溢れ出ているので、それらをレビューとして形にしておこうと思います。
内容としては、素直に褒め倒したいけれど、愛ゆえに将来を期待してしまうところも多かったかなって感じですね。
ちなみにそれら込みでどちゃくちゃ面白いです。
※直接的ではないですが、ストーリーのネタバレを匂わせる記述があります。
Contents
全ての人に愛してほしい。いつものポケモンであるということ
今作のポケモンは様々な進化を遂げています。
ですが、そこを語る前にどうしても言いたいのは、本作は間違いなくナンバリングタイトルのポケットモンスターであるということです。
これは前作ポケットモンスターサンムーンにも言えることなのですが、ハードが変わろうと、ストーリーがダイナミックになろうと、ジムが無くなろうと、出てくるポケモンが変わろうと、いつも常に我々をワクワクさせてくれるポケモンがそこにあります。
しかもそれは常に新鮮で、常に新しく、常にいつものポケモンだと思えるような素敵な世界を構築しています。
初代からずっとお約束を守りながら、常に挑戦し続ける本作は本当に素晴らしいと言わざるを得ません。
是非とも、初めての人も、いつもの人も、昔やっただけの人も、みんなこのポケモンの世界に帰ってきてほしいと願います。
据え置き機によって実現したグラフィックと世界観の魅せ方
本作を語る上でまず外せないのがグラフィックの大幅な進化でしょう。
ポケットモンスターと言えば、初代はゲームボーイから始まりナンバリングタイトルはずっと携帯機でした。
携帯機ゆえに、みんなで持ち寄ってポケモンを交換したり対戦することで一大ブームとなったのです。
ゆえに常にグラフィックは携帯機の出力に抑えられ、大会などはポケモンスタジアムなどの据え置き機にデータを移して行うといった施策が取られていました。
しかし、本作は違います。
Switchというハードを全力全開に生かしたナンバリングポケットモンスター初の据え置き機タイトルなのです。
夢で見たポケモンの世界を旅するということ
今作で私はシリーズで初めて「これが主人公達が見ていた世界なのか」という感動に包まれました。
もちろん、過去に幾度もポケモンの3D作品は出ています。
スタジアム系やポケモンスナップ、ピカチュウげんきでちゅうと言ったポケモンを観察したり触れ合える作品まで、様々です。
大阪のエキスポシティでは体感型のアトラクションなんてものもありましたね。
しかし、どれもナンバリングタイトルでは無いんです。あくまで外伝なんです。
あの日、あの頃、初めての自分のポケモンを授かり、小さな町を出て、まだ見ぬ世界やポケモン達へと会いに旅をするナンバリングタイトルとは全く異なるのです。
「ポケモンLet's Go!」という作品がありますが、野生のポケモンに脅威がありませんし、やはり違うのです。
そんな中、本作は初めてポケモンの世界に降り立ったという気持ちになった作品でした。
ポケモン達がそこに居る世界はとても美しい
アニメのポケモンを見たことはありますか?
ポケモンが世界に存在していて、人々のパートナーであり、脅威でもあるんです。
そんなポケモン達の世界がそこにはありました。
携帯機ではなく、据え置き機だからこそ、空間を感じることのできる立体の世界観。
自分の家を一歩出るとそこには見たことのないポケモン達が居て、バタフリーが空を飛んでいるんです。
本作では、あの憧れだったポケモンの世界を自分は旅しているんだなと感じることができます。
本作の舞台であるガラル地方はイギリスを舞台にしており、街並みも美しく、観光スポットも多く存在します。
そんな世界をポケモントレーナーとして観てまわると考えただけでも楽しくなってきませんか?
小さな子供の目線から見る世界
ちょっとグラフィックに関係あるのか怪しいのですが、本作は全体的に「主人公が小さな子供」であるということを意識して作られています。
全体的に等身が上がったことにより、子供である主人公とジムリーダーや博士などの登場人物達との対比がよく描かれています。
例えば、まず見た目として背が大人達に比べてとても小さく、大人達は常に主人公に対して目線を下げて話しかけてきます。
これは今までの作品ではあまり見られない特徴でした。
なんせ等身が皆あまり変わりませんでしたからね。
逆に、主人公がより小さな子供やポケモンと話しかけるときは、膝を曲げ目線を合わせるといった動作をします。
こういう細かい動作の積み重ねにより、プレイヤーは子供として旅だった主人公に感情移入できるのですね。
ストーリーもまた、今までのように謎の最強トレーナーとしてあらゆる事件を解決していく主人公ではなく、子供であることが強調され、対比として大人達の姿が描かれることになります。
これは明らかに今までとは違った視点であり、どこか寂しさを覚えました。
しかし、だからこそ、世界観により深みが生まれ、よりポケモンの世界へと没入することになるのです。
ワイルドエリアは等身大の冒険。初めてポケモンに恐怖を覚えた
本作には「ワイルドエリア」という、エリアで分かれていないオープンワールドになっている巨大なエリアがあります。
ここでは視点を自由自在にぐるぐる変更することができ、ポケモン達も様々なレベルが混在し、巨大なポケモン達もあらゆるところを闊歩しています。
ワイルドエリアについては色々語りたいことがありますが、特に特徴的だと言えるものがあります。
それはポケモンという生き物がそこに居るというリアルです。
大きなポケモンが本当にでかい。
小さなポケモンが驚くほど小さい。
私は本作で初めて、ただ歩いているイワークに恐怖し、追いかけてくるキテルグマから全力で逃げました。
もちろん通常のフィールドでも大小様々なポケモン達に出会えますが、ワイルドエリアでは、こちらの手持ちを遥かに上回るレベルのポケモン達が登場します。
そのことによる緊張感は半端ではなく、ポケモンは野生の生き物であり、人々に対する脅威でもあるのだなということを認識させられました。
このようなポケモン作品は初めてかもしれません。
どこまでも地続きで、ポケモン達が自由に闊歩し、少し歩けば新たな発見がある。
これはまさに子供のころから夢想し、「ポケモンGO」のPVを初めて見たときに感じたポケモンが存在する世界でした。
ダイマックスにより実現したナンバリング初のレイドバトルが面白すぎる
本作の新要素と言えば「ダイマックスバトル」ですね。
これがもうほんと面白い。最高に面白い。
発売前は、Z技が無くなることは予想済みでしたが、メガ進化まで無くなり、ダイマックスとは少々雑ではないかという不安がありました。
ところがどっこい最高レベルに面白いですね。
ダイマックスは使用ターン含めて3ターンのみ、1体だけ巨大化できるというシステムですが、どこでも自由にできる訳ではありません。
対戦や、ワイルドエリアにおける「レイドバトル」、ジムリーダー戦など特別な場所でのみ行うことができます。
いわゆるボス戦専用のシステムなのです。
対戦においてもいつどこで使われるかという緊張感や戦略性が求められ大変面白いのですが、筆者が特に注目したのはその魅せ方です。
今まで、ポケモンはナンバリングタイトルにおいて、特別なバトルをレベル以外では演出しづらい仕様でした。
なんせ自分も相手も同じポケモンを使う(どこぞのチート使いのワタルなどは除く)ので、普通のRPGのように異様にHPが多いだとかステータスを弄ることが難しかったのです。
過去にゲームキューブの「ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア」という作品でダークポケモンという、敵用に能力が強化されたポケモンが出現しましたが、明確に違いがあったのはこの作品ぐらいです。
そんな中、ダイマックスバトルによる視覚の変化はとても大きく、初めてポケモンで明確に「ボスバトル専用のステータスを持つポケモン」が登場したことになります。
私はこれをずっと待ち望んでいたのでとても嬉しいです。
やはり、RPGたるもの強大な敵と戦いたいですからね。
ちなみに「ダイマックス」は開発者インタビューによると、イギリスに残る巨人伝説が元ネタらしいですよ。
恐らくは「巨人フィン・マックール」や、それに起因する石柱群「ジャイアンツ・コーズウェー(巨人の石道)」辺りのことでしょう。
気になる方は調べてみると、より一層世界観に深みが増すかもしれませんね。
BGMが盛り上がるジム戦は歴代最高レベルの面白さとスケール
『サンムーン』で一度無くなったジム戦ですが、本作で復活しました。
これがもう最高なんです! 全てのジム戦が歴代ベストバウトに選ばれても良いぐらいに面白いです。
本作ではポケモンジムという設定をより深く掘り下げ、世界の人々が熱狂するスポーツという側面を誇張化させました。
ポケモンジムは観客ひしめく巨大なスタジアムとなり、数多のジムチャレンジをクリアした主人公は、その先で大迫力の歓声をその背に受け、ジムリーダーと一対一のバトルを繰り広げることになるのです。
ジムリーダーとのバトルは様々な局面を迎えることになります。
戦うべき相手であるお互いを認識するところから始まり、互いのポケモンを削り合い、時に回復し、その中でジムリーダー達は様々なセリフや表情を魅せバトルを彩ります。
そして手持ちは最後の1匹に――。
その瞬間、スタジアムは大歓声に包まれ、BGMはよりダイナミックに、より激しく変化していきます。
そして口上と共に行われる切り札にしてパートナーである最後の1匹による「キョダイマックス」。
姿形をも変える切り札、大歓声に包まれるスタジアム、目まぐるしく会場内を動き回るカメラによる視点移動。
そのどれもがバトルを盛り上げ、プレイヤーは最高潮の興奮に包まれると共に、もうこれで終わってしまうのかという寂しさをも覚えます。
マンネリ化していたと言わざるを得ないジムリーダー戦を、ここまでのものに昇華してきた開発陣には感謝しかありません。
そんな圧倒的な歴代最高峰のポケモンバトルを支える技術の1つに「アダプティブ・ミュージック」があります。
これはバトルの展開や状況に応じて、動的にBGMの曲調を変える技術で、これもハードが据え置き機になったからこそ実現できたことです。
Switchという据え置き機と携帯機の両面を持ったハードだからこそ、ポケモンでこのような演出を見ることができるようになったと考えると感慨深いですね。
魅力溢れるキャラクター達
これについては書く必要があるか迷ったのですが、やはり溢れ出る思いは出し切ることにしました。
本作は本当にキャラクター達が活き活きしていてとても良いです。
元々ポケモンというシリーズはキャラクター人気があったのですが、一方で本編での扱いはあっさりしたものでした。
その多くはアニメやファンアートなど、長く続く文化だからこそ生まれた人気が多いでしょう。
本編でストーリー展開を広げ、キャラ付けを本格的にしだしたのは「ブラック・ホワイト」辺りからで、そこで生まれた「N」というキャラクターは、当時としてもかなり異質なキャラクターでした。
そんな変遷を経て、本作ではより強烈なキャラ付けがされたキャラクター達が登場することになります。
あんまり書くとネタバレになるので言えませんが、例えば、チャンピオンを筆頭にジムリーダーが強烈です。
はっきり言って登場時間などは今までのポケモンとそう変わらないのですが、デビュー時のインタビュー、ジムリーダーとしての想い、チャンピオンを目指した過去、現在どう生きているのかなど、ただジムリーダーという舞台装置として存在するのではなく、その世界で生きて、様々な思いのもとジムリーダーをしている1人の人間として描かれています。
そんな人生を生きている1人のポケモントレーナーだからこそ、前述した彼らとのジムリーダー戦はその集大成として最高峰の盛り上がりを見せるのです。
これはジムリーダーに限らず、登場するあらゆるキャラクターにも言えることで、多いとは言えない描写の中で彼らの人生を我々に伝え、1人1人が信念を持つポケモントレーナーとしてそこに存在していることを伝えてきます。
よくぞここまで魅力的なキャラクター達を産み出してくれたものです。
ちなみに私は幼馴染のホップ君が好きで、バトル中に褒めてくれたり、彼の激しくも優しいバトルBGMも相まってとてもワクワクさせてくれました。
ジムリーダーではカブさんですね。おじさま最高です。
不満点は新要素のボリューム不足か
ここまで褒め倒してきましたが、当然不満点も色々あります。
開発者インタビューを見るに、わざとそうしているであろう部分もあるのですが、良いゲームだからこそ、ここをこうしてほしいというポイントが目立ちましたね。
町がボリューム不足。ワイルドエリア以外も視点変更させてほしい
もうほんと、町の雰囲気最高なんですよ。
めっちゃ綺麗で、オシャレな街並みや海も雪も、超豪華ホテルもあります。
なのに、なぜ、視点変更ができないのか?
ワイルドエリアならできるんですよ。視点変更。
だからこそ、逆に街の中で視点変更ができないことに窮屈感を感じてしまいます。
特に、一部の町はちょっとボリュームが無さ過ぎるかなと感じざるをえません。
サンムーン並に街数が少なくてもいいので、それだけ観てまわる場所やイベントを増やしてほしかったかなーというのが不満点ですね。
これは町以外の道路にも言えることなのですが、それこそ舞台装置になってしまっている感が否めません。
次回作以降は3D化のノウハウがあるはずなので、ぜひとも町の探索にもコストを割いてほしいですね。
ジオラマとしての各町は本当に素晴らしく美しいので、どうしても惜しく感じてしまいました。
ワイルドエリアもっと増やして! 広いけど狭い。量も欲しい!
ワイルドエリア本当に楽しいんですよ!
すんごい広いですし、ずっと居続けることができてしまいます。
が、1エリアしかないのが惜しいです! とても惜しい!
確かに広いんですが、シームレスとはいえ1エリアでは新鮮さにも限界があります。
シームレスゆえに1エリアをできるだけ広くする方針にしたのだと思いますが、せめてクリア後に新しいワイルドエリアに行けるなどあればちょっと嬉しかったです。
まぁ開発者インタビューで、従来のプレイヤーのためにも新要素は一部だけ取りこむ形にしたと言っているので、次回作に期待ですね。
声欲しいよね。声。そのらしさは捨てても良いと思う
めっちゃキャラが立っているだけに、セリフに声が欲しかったですね。
画面が綺麗になって、登場人物のキャラクターも非常に立っているので、キャラの声が聴きたいという想いが強くありました。
あのゼルダにさえついたのですから、ポケモンについても良いと思うんですよね。
今までは携帯機だから声がつけられなかっただけで、別にそれは「らしさ」ではないと思うんです。
もしマイナーチェンジ版が主要人物だけでもフルボイスなら爆売れ必至だと思います。
まとめ:ポケットモンスターの新世代を見た
本当に素晴らしい。
新世代のポケットモンスターを魅せていただきました。
ポケモンというシリーズの可能性はまだまだ無限大で、これからもポケモンにずっとワクワクさせていただけることを確信できたことが嬉しいです。
しばらく対戦から離れていましたが、折角なので本作からぼちぼち対戦にも復帰してみようと思います。
ちなみに私はシングル勢です。
対戦でお会いしたらよろしくお願いします。