こんにちは。マスティ(@masty_cafe)です。
クリア直前でストップしていた『スーパーマリオ オデッセイ』をこの度クリアしたので、レビューを書くことにしました。
クリア直前でストップしていた理由についても合わせて書いていきます。
発売日 | 2017年10月27日 |
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対応ハード | Nintendo Switch |
Contents
世界を旅する大スケールの正統派3Dマリオ
本作は「スーパーマリオサンシャイン」以来となる、箱庭を自由に駆け巡るタイプの3Dマリオです。
サンシャインは2002年発売なので、実に15年ぶりということになりますね。
今作では、マリオが世界中の様々な国を自由自在に駆け回るという壮大なスケールとなっています(過去作も絵画世界であったり銀河だったりとシリーズ通してスケールが大きかったりしますが)。
今までのマリオには無い現実の世界のようなワールドがあったりと、発売前の私は非常にワクワクしていました。
何もないが存在しないおもちゃ箱とも言うべき箱庭世界
本作最大の魅力とも言うべきは、やはり何といってもステージの作り込みでしょう。
今までのマリオシリーズでも見たことがない世界への旅は素直に言ってワクワクしました。
ジャングル・砂漠・リアルなニューヨークのような大都会・雪国・和風な世界などなど、マリオというキャラクターの自由自在なアクション性でそれらを駆け巡るのはそれだけで最高です。
とくに本作の目玉というべき「ニュードンク・シティ」は素晴らしいですね。
長身のリアルな人間のようなキャラクターが登場するということでも非常に驚きでしたが、それに合わせてリアルなのにマリオらしいギミック満載のステージには夢踊りました。
なかでも雨の描写はさすがだと言わざるをえません。豪雨吹き荒れる暗闇に包まれた都会の夜。水に塗れた金属の質感やビルにまとわりつく化け物など、緊張感がすごくて別のゲームかと思ったほどです。
本当に素晴らしい出来なのに、これが原因でCEROが高くなってしまうなんて、ものつくりはジレンマの塊ですね……。
ラストの「Jump Up, Super Star!」がバックコーラスで流れる初代マリオオマージュステージなんてもう完全にこのゲームのクライマックスです。
というか、あまりにもクライマックス過ぎて、えっこのゲーム短かない? ってちょっと思ってしまったほどです。
帽子アクションやりすぎてますよ
今作の特殊アクションとして「帽子」と「キャプチャー」があります。
「帽子」は、コントローラーを振ることで、相棒であるキャッピーの宿った帽子を投げることができるアクションなのですが、これが結構面白い。
ただ投げるだけに留まらず、追尾させて攻撃したり、真上や真下に飛ばしたり、マリオの周りを回転するように投げることが可能で変幻自在です。
さらに投げた帽子を空中で停止させることで、固定トラップ的な攻撃手段としたり、投げた帽子を利用してさらにジャンプするなんてこともできてしまいます。
このへんの、単純なアクションを簡単な操作でさまざまなアクションに変化させるシステムは、ユーザーに直感的な体験を提供していて本当に凄いなと感心します。
このような直感的な操作方法は、マリオ64から引き継ぐジャンプアクションや、サンシャインのポンプアクション、さらにはスマッシュブラザーズシリーズの格闘ゲームを簡略化した操作など、任天堂の十八番とも言えるもので、幅広い年齢層・あらゆる人にゲームを体験してもらいたいという思想が現れていることを感じとれますね。
もう1つのアクション「キャプチャー」は、帽子を敵キャラクターに投げることで、その敵に乗り移り、専用アクションを使えるというものです。
これがまた凄くて、ほぼ全ての敵に対して使えるという種類の多さはもちろんのこと、どうみても生き物ではないものまでキャプチャーできたりギミックとして非常にユニークです。
アクションがステージギミックとして上手く生かされていますし、特定の特殊ステージでは帽子を投げている間しか挑戦できないものもあります。これによってキャプチャーを特殊ステージへの入り口探しギミックとしているだけでなく、帽子アクションの制限による純粋なジャンプアクションコースへの理由付けとして機能しています。
任天堂の1つのアクションをこれでもかというぐらい使い倒すやり方は本当に上手いですね。
CEROがなんだ! 子どもにこそやってほしいギミックの素晴らしさ
本作はとにもかくにも隠れたギミックが多いです。
「これ、何かできそうだな」って感じたら大抵できます。
そして成功すると本作の目的であるパワームーンという飴を貰うことができるんですよね。
ギミックの種類もとても多彩で、たった1つのギミックのためだけに用意されたアクションも多数存在します。
「目的を達成するとご褒美がもらえる」というのはゲームの基本とも言える構造なんですが、その数があまりにも膨大かつユニークなので、もはや「思いついたことを実行するとご褒美が貰える」という状態になっているのです。
これはとても素敵なことで、人の想像力をとても掻き立てさせられます。
まさに大人のみならず、子どもの知育にも最適な作りなんですよね。
本作は「CERO B」で12歳以上限定なんですが、個人的にはもっともっと小さな子供にこそプレイしてほしいと考えています。
本作のレーティングがBになった理由について、プロデューサーの小泉歓晃さんが一部リアルな世界観があるせいだろうと述べていますが、同時にすべての世代に楽しんでもらえるように、危険なものを作ったつもりはないとも述べられています。同じようにスマブラシリーズで有名な桜井政博さんからも、本作のCEROが引き上げられたことについて、子供のためとは思えないという否定的な意見が出ています。
参考:"「スーパーマリオ オデッセイ」で行われたさまざまな変革は何を意図したものなのか。小泉歓晃プロデューサーに聞いた" 4Gamer.net
Web上で発信する身として強くは言えませんが、CEROに法的拘束力は一切ないので、もしよろしければお子さんとプレイしてみてほしいところです。
絶対楽しめるはずですよ。
本作の不満
ここまでべた褒めしてきましたが、私はクリア直前でいったんやめてしまいました。
それにはやはり不満というか、私にとっては楽しみきれなかった要素があるからです。
もちろんこれは個人の感想であり、私限定でしか起こりえない不満も多いと思います。
しかしやはり、ここは個人のブログで、ゲームのレビューをWebに発信するうえで、嘘は書くわけにはいかないので、ここに記しておきます。
マップ狭くない?
まずこれです。
マリオサンシャイン以来の箱庭マリオかつ、キャッチコピーの「マリオ、世界の旅へ。」を見て、広大な世界を旅することを期待してたんですよね。
で、いざやってみると「なんか狭いな?」と。
10以上の世界があり、決して少ない訳ではないんですが、1つ1つが思ったより広くないというか、こじんまりしてるというか、意外にあっさり見て回れてしまって、言うほど探索してる感がないなって思ってしまいました。
そう感じる原因は分かってるんですよね。
まず、そもそも本作はオープンワールドではなくて、箱庭です。
なので1ワールド辺りがそれほど広くないのは当然です。
というか、別に狭くないです(矛盾)。
過去作の64・サンシャイン・ギャラクシー辺りと比べても、面積的には1ワールドは広いぐらいでしょう。
ただ問題は、1ワールドに詰め込みすぎなんです。
例えば、同じ箱庭である前作『マリオサンシャイン』は、1つ1つのワールドが、舞台である「ドルピック島」の村や海岸や遊園地やホテルと言った観光地になっています。
これによって、全ワールドが繋がって1つの世界を構築しており、拠点であるドルピックタウンから、ドルピック島の観光地に移動する感覚になるので、世界がとても広く感じられるんですよね。
それに対して、『マリオオデッセイ』はワールドごとに村や遺跡や山々が詰め込まれているせいで、とてもミニマムな作りになっています。
マリオサンシャインでは、ワールド1つをホテルや遊園地に贅沢に使っていたので余計そう感じてしまいます。
ワールド1つ1つの作りこみは凄いので、贅沢な悩みなんですかねー。
後、一部の国は露骨にこじんまりというか、あっさりとしていたように感じます。
「ニュードンク・シティ」がとても素晴らしかっただけに、力尽きたのかなとちょっと邪推してしまいますね。
パワームーン多すぎない?
やりすぎです。
いくらなんでも999個は多すぎるでしょう。
しかし、同じく任天堂の『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』のコログのミは900個でしたが、こちらは多すぎるとは思わなかったんですよね。
なぜなら別にコログのミは目的ではなく、集めなくてもクリアできるからです。さらに、コログのミはそれなりに広い範囲に散らばっていて、結構本気で探さないと分からないものも多いです。普通にクリアしていたら全然見つからないでしょう。
対して、『マリオオデッセイ』のパワームーンは、少し歩けば目の前に何個もあるレベルであります。普通にクリアするだけで1ワールド30個ぐらい集まってしまうのです。
ラストステージに行くために500個必要ですし、どうみてもここにあるよ! このギミックだよ! って露骨なので無視するわけにもいかないので正直疲れてきます。
本当にギミックのアイデアや、そのクオリティは素晴らしいのですが、さすがにちょっと胸焼けしてしまいました。
おもちゃ箱としてはとてもいい出来なので、ぜひとも多くの人にプレイしてみてもらいたいんですけどね。
高難易度ステージに行くまでの作業多すぎない?
まぁ本作、簡単ですよね。
今までもうちょっと難しく、合間合間にあるアスレチックステージなどは高難易度で歯ごたえがあるというものが通例だったんですが、そのアスレチックステージも簡単です。
初見殺しはたまにありますが、基本的に詰まることは一切ないです。
マリオにはほどよく歯ごたえのあるアクションを期待していたので、パワームーン多すぎ問題と並んでちょっと肩透かし感があります。
一応、最後の最後、クリア後に条件を満たすと超難易度ステージに行けるのですが、クリア後に今までのワールドを回って、追加されたパワームーンを集め回らなければなりません。
オマケ要素なので、やりたい人だけやれば良いんですが、他に難易度の高いものがないのでちょっと作業感が拭えない印象ですね。
各種アクションの判定もかなり簡略化していたりと、今作初めて3Dマリオに触る人のことを考えての調整だと思うので難しいところですね。
マリオサンシャイン以来の箱庭と言うけれど
んー、正直なところ、プレイしている印象的には『スーパーマリオギャラクシー』シリーズとそんなに印象変わらないですね。
そもそも『スーパーマリオサンシャイン』もワールドごとに目的を選択するタイプで、ギャラクシーとシステム的には一緒なんですよね。
それに比べると今作『スーパーマリオオデッセイ』は確かに箱庭なんですけど、あえてギャラクシーを飛ばしてマリオサンシャイン以来と評する意味がちょっと分からなかったです。
マリオ64もサンシャインもギャラクシーもオデッセイも、全部同じシリーズに感じるんですけどね。
まとめ。不満は色々あったけれど、3Dマリオはやはり凄い
後半めちゃくちゃ不満点について書いてしまいましたが、それだけ3Dマリオというシリーズと任天堂に期待しているからなんですよね。
そしてやはり今作もちゃんと3Dマリオで、驚くほどのクオリティで作りこまれていました。
だからこそ、勝手に抱いていた理想と現実との乖離も大きく感じてしまったのかもしれません。
不満を述べつつも、クリア後にスクリーンショットを撮るために色々なワールドを回っていたんですが、新しい発見も多くて凄い作品だなと思わされることも多かったです。
これらはあくまで個人の感想であって、大作として本当にふさわしいクオリティなので、ぜひとも各々プレイして、その凄さを体験してみてください。