キングダムハーツ3の正直な感想。面白かったのか?【KH3】【評価・レビュー】

2019年5月15日

キングダムハーツ3の感想

こんにちは。社畜ゲーマーのマスティ(@masty_cafe)です。

私はキングダムハーツ1・2が発売された頃はまだ中学生でした。

あれから約13年ひたすら待ち続け、3が出たらPS3を買うと宣言していたらPS4になっていました。

そして待ちに待った『キングダムハーツ3』をプレイすることに相成ったのですが、はたして待つだけの価値はあったのでしょうか?

あくまで一ゲーマーとしての個人的な感想を語りつくしたいと思います。

※ネタバレを含むので注意してください

>>DLC「Re Mind」のネタバレ感想はこちら

発売前の特別CMは正直言って泣いた

『キングダムハーツ3』は発売一週間前にたった一度だけスペシャルCMが地上波で流れました。

それはキングダムハーツシリーズを待ち続けた人々の心を高揚させるには相応しい内容で、我々が待ち続けたキングダムハーツがついにまた始まるのだ! という一体感をもたらすものでした。

ちなみに私は泣きました。

いや、そりゃ泣きますよね。

というかファンで泣かない人居るの?

これだけ待ちに待った名作の至高のCMですからね。

ぶっちゃけると本編より良かったかもしれません。

そのCMはこちら。

で、キングダムハーツ3は面白かったのか? つまらないの?

面白かった!

間違いなくナンバリングタイトルのキングダムハーツ作品です。

そこは疑いようもありません。

しかしながら、ナンバリングタイトルだからこそ、物足りなかったとも感じます。

理由は多岐に渡るので細かく書いていこうと思います。

最後に総まとめの感想を書いているので、そちらもぜひご覧ください。

バトルシステムはナンバリングタイトルに相応しい。だが不満点も目立つ

キングダムハーツ3のバトル

私は本作『キングダムハーツ3』のバトルシステム自体は概ね満足しており、大変面白かったです。

しかしながら、細かい点が気になります。

キングダムハーツのバトルシステム

キングダムハーツシリーズと言えば、FF15にも採用されたバトルシステムが有名です。

FFシリーズのコマンドを模したUIを持ち、空間を軽快に跳ね回るアクションは従来のアクションゲームとは一線を画すものです。

ロックオンの追尾性がよく、空中の相手でも連打してるだけで飛び込んでくれますし、エフェクトも派手で視覚的にも楽しませてくれます。

それだけでなく、多彩な必殺技やアクションを駆使することができ、ボス戦では相手の攻撃を跳ね返すなどのギミックも満載です。

高難易度の相手にはガードや回避を駆使しなければ勝てませんし、アクションゲームとしてはある種の到達点だと言えるでしょう。

ナンバリングタイトルと外伝シリーズの差別化による弊害

キングダムハーツシリーズでは全て同じ戦闘システムが使われますが、それぞれの作品ごとに独自のシステムが採用されています。

特に、外伝シリーズでは複雑かつゲーマー向けのシステムが採用されることが多いです。

具体的にはコマンドの合成やカスタマイズによって、やり込みを深めたり、戦略性を練らせる方向に向いています。

対してナンバリングシリーズでは、アビリティの脱着などはありますが、基本的にレベルを上げていけば全て装着できる仕様です。

コマンドも数セットのうちからどれを使うか程度で、カスタマイズ要素などは皆無と言えます。

これは決してマイナスポイントという訳ではなく、家庭用と携帯機、そしてディズニーという層の幅を考えた時、いかに簡略化したシステムの中でアクションゲームとしての面白さを引き出せ、万人に楽しんでもらえるかを追究した結果だと言えます。

そして、家庭用タイトルであるナンバリングでは、家庭用にしかできないバトルを実現しています。

ゲームハードの性能をふんだんに生かし、ド派手で個性溢れる様々な戦闘スタイル、様々なディズニーキャラクターとの共闘必殺技、様々な特殊シチュエーションバトルなどなど、家庭用だからこそできる戦闘を惜しみなく披露しています。

とここまでべた褒めをしてきましたが、そうはいっても多少なりとも携帯機シリーズのようなやり応えのあるシステムを期待したユーザーは少なからず居たのではないでしょうか。

私もその一人です。

納得できる理由があるし、キーブレードの変形や連携技、特殊バトルはどれもこれも本当に面白かったです。

しかしながら、基本となるシステムがややアッサリしすぎていることは残念でありました。

攻撃モーションをキャンセルさせて欲しかった。飾りと化したガード

一番大きな点は攻撃モーションがめっちゃ長いうえに、全くキャンセルできないことです。

キングダムハーツシリーズでは、ガード・回避は結構重要で、敵の攻撃がめちゃくちゃ激しく避けきれないものが多いのです。

しかしながら、ガード・回避を駆使することで華麗に回避でき、そこからの反撃手段も多様に用意されています。

なので従来のシリーズでは、見た目の派手さとは裏腹に、丁寧な立ち回りを要求されるゲームでもありました。

しかし今作『キングダムハーツ3』では、初期実装の最高難易度である「プラウド」でもある程度ゴリ押しができてしまいます。

さらに全くキャンセルできない仕様なので、一度もガードしないどころか、むしろ自分から狙ってガードしにいかないと使いどころがありません。

無論、ノーダメージや回復を使わずにクリアしようとすると必須です。

そして、そういったプレイをすると実に美しい立ち回りが可能となります。

そういった意味では、多くの年齢層に愛されるナンバリングタイトルの戦闘としては相応しいものであると言えます。

とはいえ、自由にガードやキャンセルできないのは単純にプレイ上のストレスとなるので、個人的には緩和してほしいポイントですね。

アトラクションフローはなぜ入れた? というかお前誰?

キングダムハーツ3のアトラクションフロー

バトルシステム最大の不満点は間違いなくこいつです。

バトル中、条件がそろった時に遊園地のアトラクションが突如出現して敵を薙ぎ倒すというもの。

それはジェットコースターであったりメリーゴーランドであったり……。

いや待って、これ何?

なんでこんなことできるの?

そんな疑問しか湧かなかったシステムです。

情報解禁当初のPVでは圧倒的なグラフィックと迫力でワクワクしましたが、本編において全く説明がないのは驚きでした。

今までのシリーズでは、作中の技やアクションには理由付けがされていたんですよね。

例えば、キーブレードの変形は熟練したキーブレード使いはキーブレードの形を変えられるという説明があります。

フォームチェンジも妖精の作った服の効果であるという説明がありました。

アトラクションフローはマジで何の説明もありません。

やたら演出が長いですし、強制的にBGMも変化するので色々とテンポが悪く、さらにかなりの頻度で使用できます。

オフに出来ないのですが、どの特殊コマンドを使うかは選べるので一通り見た後はいちいちわざと使わないように避けていました。

誤爆するとキャンセルまで時間がかかることもあり、正直邪魔でしたね。

せめてアビリティを外すなどでオンオフ切り替えられれば良かったのですが……。

最初のボスではアトラクションフローによる特殊演出があり結構派手で面白かったのですが、それ以降は特に無し。

最後らへんにもう一度ありましたが同じアトラクションフローなので使いまわし感が否めません。

本当はもっと色々バトルに絡めたり、背景をちゃんと用意するつもりだったのかもしれないですね。

キーブレードの変形は超楽しいが、隠しキーブレードが使いまわし

キーブレードの変形は良く出来ていたと思います。

次から次へと新しいキーブレードが手に入るので、杖やら銃やら槍やらドリル、ヨーヨーと多彩な変形は実に面白かったです。

キーブレードの強化も追加されたので、自分のお気に入りキーブレードを無理なく最後まで使うことができました。

一部強すぎるキーブレードがありましたが、それはそれで特に問題はありません。

欲を言うなら、剣状態のバリエーションがもっと欲しかったですね。

例えば二刀流が今作無かったのは残念です。

ただ表題にもある通り、今作の隠しキーブレード、一部を除いて変形が既存キーブレードと同じなんですよね。

付与されているアビリティやステータスが若干違うというのはありますが、今作の目玉部分が使いまわしなのはちょっと残念と言わざるをえません。

ここもやはり開発期間が足りなかったのかな? といった印象ですね。

その分、一つ一つの変形はめちゃくちゃ凝っていて、前作「キングダムハーツ2」のフォームチェンジ総数よりも多いので、ボリューム的には満足ではありました。

ストーリーはちゃんとキングダムハーツしていて面白かった

キングダムハーツ3の作りこまれたディズニーワールド

先に言っておくと、私はキングダムハーツシリーズは「ディズニーを知らない人」こそ楽しめる作品なんじゃないかと思っています。

ディズニーを知らなければ楽しめないというのは大きな誤解で、むしろその逆なんです。

理由は後程触れます。

さてさて、キングダムハーツは大筋のメインストーリーと、各ディズニーワールドでのお話の2つが展開されます。

基本的にはこのメインストーリーを、各ディズニーワールドを飛び回りながら追っていくことになるのですが、各ディズニーワールドでの話は単体で独立していますし、メインストーリーはその合間に少し挟まれるぐらいです。

そうして最後にメインストーリーが繋がり結末へ、というのが良くあるキングダムハーツシリーズの展開となります。

メインストーリーは完全に意味不明だが、だいたい完結して満足

メインストーリーはですね。

はっきり言って意味☆不明です。

一応断っておくと私はシリーズ全てのストーリーを追っていますし、細かい設定も全て知っています。

ですが、やっぱり意味不明です。

設定を読み漁って何とか理解した気にはなりますが、やっぱり分かった気になっただけで意味不明です。

というか作った人ですら理解してないと思います。

そんなレベルなので、外伝をせずに1・2・3、あるいはいきなり3からでもギリギリ何とかなると思います。

一応簡単な前回の説明ビデオみたいなのは入ってるので。

そんなメインストーリーも、今回色々と決着はつけてくれています。

なのでシリーズファンとしては概ね満足といった印象です。

ロクサス関連とか卑怯ですよね。

BGMまで変わりますし、というか強すぎてプラウドなのに全て任せても体力削りきってくれるのに笑ってしまいます。

もうお前が世界救えよって思いました。マジで。

アクア・ヴェントス・テラ、ロクサス・シオン・アクセル、ここらへんは本当に良かったですね。

共闘はもうずっと逃げ回ってBGMを聴きながら戦闘を眺めていたぐらい好きです。

ただ、最後らへんのストーリー展開はちょっと雑なところが散見されましたね。

例えば、13機関戦はとても良かったです。

全員と戦わせてくれたのは本当に意外でしたし、1人1人の結末を用意してくれていたのは感謝しかありません。

ただ、ちょっとシチュエーションに無理があるかな? とは感じたところもあります。

また、ソラがもうダメだ的な状態になるシーンもちょっと唐突感がありました。

最初のヘラクレスをソラが置いていったり、多少ですが違和感がありますね。

もうちょっとひたすらに前向きなイメージでしたが、1でも心は折れていたのでイメージが膨らみすぎていただけという可能性はあります。

それを差し置いて個人的に嬉しかったのが、ファイナルバトルをグーフィーとドナルドと共に迎えられたことです。

これは本当に嬉しかった。

キングダムハーツ2はこれが残念で、グーフィードナルドはソラとずっと旅をしてきた親友であり、3人一緒で一人前なんですよね。

もう私はこれだけでとても満足でした。

ディズニーワールド作り込み凄すぎるけど大丈夫?

キングダムハーツ3の世界

これはもう最高ですね。最高。

これよく言われがちですけど、ディズニーファンじゃなくても楽しめます。

無論、ディズニーファンなら尚更楽しめるような内容にはなっているんですけど、あくまで主人公達は初めてその世界に来てることが多いので、初見の人は主人公と一緒に未知のディズニーワールドを楽しめばいいと思うんです。

色々な世界を冒険し、様々な人たちと繋がりを得ていく。

それがキングダムハーツの楽しさであり、主人公であるソラがワクワク楽しんでいることでもあるんですよね。

さて、それはさておき、今作のディズニーワールド。

やりすぎです。

何がって、1つのディズニーワールのギミックで別のゲーム1つできるぐらい別ゲーになっています。

よく言われるトイストーリーとか控えめに言って頭おかしいですね。

敵として出てきたり、そこらへんに落ちているロボットに乗ることができるんですが、操作ががらっと変わります。

完全に別ゲーになるうえに、ロボットの種類もたくさんあり、ロボット専用ミニゲームまで用意されています。

各ディズニー映画の名シーンまで完全再現してしまう始末……。

正直アホかと思いました(良い意味で)

各ワールドで、製作者がやってみたいことを妥協無く作り込んだ結果なのだろうなといった印象です。

こんなことしてたらそりゃ時間かかるわ、と。

当然開発中に新しい技術や映画やアイデアがどんどん産まれてくる訳で、このゲームは果たして何度作り直したのかと想像するだけで恐ろしいです。

中には元ネタ映画のその後みたいなストーリーがあったんですが、これ大丈夫なんですかね。

もう続編は絶対にやらない宣言なんでしょうか?

それともやるとなったらパラレルとしてやるから問題無し的な感じでしょうか。

そこらへんインタビューあるなら聞いてみたいところですね。

ちょっとムービー挟みすぎかな

ムービーはどれもこれも素晴らしいですし、主人公達とディズニーキャラクター達の絡みはどれもとても面白かったです。

各見せ場のシーンは本当に圧巻の一言で、スクエニの全てが込められているといっても過言ではない出来でしょう。

とはいえ、さすがにちょっとカットシーンを細かく挟みすぎに感じられましたね。

移動 → ムービー → 移動 → ムービー

と言ったことが頻繁に発生します。

良いから操作させろや! となったことも結構あります。

とはいえ中断したまま終わらず、ちゃんと最後まで操作させてはくれたので、特に消化不良ということは無かったです。

が、さすがにやりすぎ気味でしたね。

キングダムハーツ3は短い?

これどうなんでしょうね。

確かに「えっ? これで終わり?」と感じました。

でもプレイ時間にすると通しでも30時間ぐらいはあるはずなんですよね。

確かに今まで通りの展開だと、もう一周世界を回るぜってところで終わっちゃってびっくりしたんですけども。

短いのか、それとも一つ一つ濃厚だったので短く感じたのか……。

両方あるとは思いますが、実のところ後者が大きいんじゃないかと思っています。

DLCでこれだけは追加してくれ! キーブレード使いのプレイアブル

美麗な『キングダムハーツ3』のグラフィックでアクアやリクを操作できたのはめっちゃくちゃ楽しかったです。

でもッどうしてッたったのあれだけなんだ!

そしてあれだけモーションを作っているならシオンやロクサスも触らせてくれ!

外伝で散々動かしたかもしれませんが、私はキングダムハーツ3で動かしたい!

DLC販売で良いのでプレイアブル化を切に望みます。

追記: DLCでプレイアブル追加! ロクサスも!

来ちゃいましたね。プレイアブルでロクサスが!

DLCは2019年冬に来るようですね!

めっちゃくちゃ嬉しいです。

映像を見たところ、リク・アクア・ロクサスが確認されており、使用は最終決戦以降となるようですが、最終決戦でしか使えないのでしょうか?

おまけモードとして物語の整合性はとらなくていいので、色々なステージでロクサス達を使って暴れまわりたいところですね。

いやー、楽しみです!

まとめ: ナンバリングタイトルの責は果たした

キングダムハーツ3のタイトル画面

小さな不満は色々ありますが、致命的なことはありませんし、むしろ良くここまでまとめてくれたなと感じました。

それぞれの物語に決着がつき、次回作への布石もあり、楽しいディズニーワールドがあり、PS4の力を生かした派手な戦闘もあり……。

ナンバリングタイトルとして必要なものは全て揃った作品だったと私は思います。

まぁどう考えても開発期間足りずにリリースした感じはありますけどね。

FF15と似たような感じでしょう。

次回作はナンバリングタイトルはまた10年以上先としても、間の作品は早めに出してほしいところですね。

次はスイッチでしょうか?

>>DLC「Re Mind」のネタバレ感想はこちら

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