『Superliminal』レビュー。夢は起きるべきなのか【評価・感想】

ゲームのSuperliminalのタイトル画面

今回は前々からやりたかった『Superliminal』の紹介をしていきます。

本作はPillow Castleによって開発され、Epic GamesやSteamの他、Switch・PS・Xboxの各ストアで購入可能です。

錯覚は現実となる。夢と精神の「パズル」

本作は「Portal」などのようなパズルを解きながら部屋を進んでいくゲームです。

上の画像では英語ですが、操作説明や内部のナレーションなどは日本語字幕なので安心してください。

パズルの内容は、遠近法や錯視を用いた錯覚を利用したものとなっています。

百聞は一見にしかず、どういうものかご覧にいただきましょう。

道をふさいでいるこれを

掴んで

ここに

こうじゃ!

とするとあら不思議、あれだけ大きかったチェスのコマが、見た目通りの小ささになってしまいました。

これが錯覚を利用したパズルです。遠近無視って感じでちょっとかっこいい。

1つ1つのパズルは簡単なものが多く、複雑なものは特にありません。基本的に何かを組み合わせるということはなく、1つの問いにつき1つの解答となっているので、比較的サクサクと進んでいくことができます。

非常にテンポが良くて楽しかったですね。

美術館に来たような美しい体験

個人的に本作で良かったポイントの1つがここです。私は美術館が好きなんですよね。小綺麗で、空気が澄んだあの空間はとても心地が良くなります。

『Superliminal』は、1つ1つの部屋が美術館のような空間になっており、ただパズルを解くためだけのステージではない居心地の良さがあります。

こういうの見たことないですか?

美術館に興味が無くとも、忍者屋敷だとか錯覚展示とかにワクワクする人は多いんじゃないでしょうか。本作はそんな錯覚に実際に触れて楽しむことができます。

画面作りが全体的に美しいんですよね。

製作に6年以上かかったというだけあって、細かいこだわりが随所に見え、プレイヤーを視覚的にも飽きさせません。

精神治療をテーマとした夢の世界はどこか不穏で

ゲーム開始から不穏な空気

本作のプレイヤーは、夢の世界で精神医療を受けています。

ゆえに、ただの錯覚パズルに留まらない多くの仕掛けが登場します。

パズルを解いていく中で進む治療。

錯覚だけではない、不安定な精神から構築される世界。

現実と夢が曖昧に、何が真実で、何が起こり、何をするべきなのか。

ゲームを進めていく中でプレイヤーは怒涛の展開を迎えていくことになります。

プレイ時間は3~5時間と小粒な作品ですが、6年間という製作期間がぎゅっと凝縮されたジェットコースターのような体験は必見です。

夢からさめるとき、あなたは一体何をするのだろう。

総評

まさに1つの美術館のようなゲームでした。

自分の中の常識に囚われないことをテーマとした作品なので、ずっと驚かされっぱなしです。私もいくつものポイントで驚いて声をあげてしまいました。

1つだけ難点を挙げると、最後の展開が次から次へと状況が変化して終わりへと向かっていくのが本当に楽しかったのですが、その期間がちょっと長すぎた印象ですね。ぶっちゃけ作品の7割ぐらい怒涛の展開なので、そういうのは残り3割ぐらいで良かったかもしれません。それだけものすごいんですけどね。

プレイ時間は3~5時間と小粒ですが、6年間の製作期間がぎゅっと凝縮されたような内容で、満足感は非常に大きくなっています。

テーマ上、自分でプレイしてこそ得られることが大きい作品なので、ぜひともまずは自分でプレイしてみてください。

-ゲーム-レビュー