『星のカービィ ディスカバリー』レビュー。文明が滅びようともいつもの丸い君【評価・感想】

2022年6月3日

星のカービィディスカバリーのタイトル画面

久しぶりにカービィを買いました。64以来です。間の時期はMMOをやっていて家庭用から離れていたというのもありますが、今回はカービィ初の3D作品でこれはもう買うしかないなと。

という訳で、『星のカービィ ディスカバリー』をレビューしていきます。

本作はハル研究所によって開発され、任天堂から2022年3月25日に発売されました。

退廃した世界でいつもの明るさを

星のカービィとポストアポカリブス

荒廃した世界を駆ける小さなカービィの姿。

滅びた文明の世界観はポストアポカリプスと呼ばれます。その設定ゆえ、ポストアポカリプスは衰退や哀愁の感情を呼び起こし、そこで生きる力強さがテーマとされることが多い世界観です。

ですが、どうでしょう。

そんな世界でもカービィはとっても元気でキュートです。

敵すらもかわいい。それがカービィだもの

哀愁の漂う世界、しかし、それすらも上回るカービィの可愛さがただの退廃的な世界観ではない新たな境地を産み出しています。

これはカービィと共に行くピクニックなんです。

任天堂のゲームは小さな画面に世界観をぎゅっと閉じ込めたような絵作りが非常に上手なのですが、今作はそれをふんだんに使ってきてますね。

遠藤
「かつて文明があった世界」というゲーム全体の舞台は
3Dでの遊びを考えるところから導き出したアイデアでしたが、
ステージの一つひとつのデザイン設定は、
遊びから考えられたもの、デザイン重視で考えたもの、
どちらもありました。

https://www.nintendo.co.jp/interview/arzga/03.html

インタビューでもデザインを重視して考えたステージもあるというコメントがありますが、その言葉に嘘偽りなしです。

やっているうちにスーパーデラックスも星のカービィ3やカービィ64も、カービィの可愛さとは裏腹に、終末を思わせる世界観とBGMが際立つステージが多かったなと思い出してきました。そういえばカービィってそういうゲームだったなと。

冒険の行く末は……。

驚くほどいつものカービィ

初の3Dとなったカービィ、一体どんな体験が待っているのか。わくわくしながらプレイした私に待っていたのは驚くほどいつものカービィでした。

もちろんめっちゃ良い意味です。

カービィって前から3Dじゃなかったっけ? ってぐらい馴染みます。めちゃくちゃいつものカービィです。

コピー能力を駆使してステージを攻略していく可愛くもシビアなアクションゲーム。難易度は簡単かと思いきやシビアないつものカービィです。

3Dになったことでファイアがバーニングと統合され、炎をあちこちに吐いて持続ダメージが残ったり地形を生かした行動ができたりします。しかしそれすらも、コピー能力ならこんなことできるよねって私の脳内に知識がありました。

本作は3D化できるものを厳選したせいか、コピー能力の数が少々少なく感じました。しかし、それで終わりではなく、代わりにコピー能力の進化が用意されています。

3段階にも4段階にも変化し、いつでも拠点で切り替え可能、進化前にも戻すことも可能とやりたい放題です。しかも進化はただ単純に強くなるだけでなく、シリーズ経験者へのサービスと言わんばかりのものも用意されているのも最高でしたね。

今作の目玉システム「ほおばりヘンケイ」、私は最初あんまり良い予感がしてなかったというか、ギミックにやらされてる感があって退屈そうだなぁって思ってたんですが、意外と楽しかったです。

場所によっては作業感はあったんですが、そこはしっかり考えられていました。1つの1つのほおばりヘンケイによるギミックを使ったステージが楽しいんですよね。例えば、「くるまほおばり」だとショートカットが隠されたサーキットみたいなステージや、迫りくる大岩をよけながら進むインディー・ジョーンズみたいなシチュエーションなど、1つ1つがプレイヤーを飽きさせない工夫に溢れています。

ボス戦では非常にシビアな攻撃を連発されますが、ジャスト回避を行うことでスロー演出になり華麗にかわして攻撃に転じることができます。強力な攻撃に対して超強力な回避が用意されているので、派手でシビアな戦いでありながら、いつものカービィの強さを体験することができる仕掛けになっているのは素晴らしい感覚ですね。

コピー能力によっては無敵回避やガードが可能なので、様々な戦略を取ることができます。

いつものカービィでありながら、3Dを活かしたダイナミックな戦闘は間違いなく新しいカービィです。

かわいい。カービィはかわいい

星のカービィ ディスカバリー。カービィはかわいい
かわE

いつもの10倍かわいい気がする。

3Dでぐりぐり見ることができるカービィちゃんは可愛いです。

いつもお馴染みのミニゲームでだってかわいいし、うきわで泳いでる姿もかわいい。

これスタッフも絶対かわいいカービィちゃんをいっぱい見せようと思って狙ってやってると思うんですよね。

例えばこれ、レストランで注文したものを冒険に持ちよるほか、レストラン内で食べることもできるんですが、無料で全回復できるので、ただかわいいだけなんですよねこれ。

そんなただカービィがかわいいだけみたいな愛に溢れまくってるのが最高なんですよね( ˘ω˘ )

総評

星のカービィディスカバリーは高難易度ステージもある

思ったよりいつものカービィで、変化を求めていたのでちょっとがっかりかなと思いながらも、2Dから3Dという大きな変化を経てもなお、いつものカービィを維持しつつちゃんと面白いものをお出ししてきたのは本当にさすがと言わざるを得ないですね。

比較的簡単なストーリークリア後は、いつものように鬼難易度の裏ステージと裏ボスの数々でボリュームもたっぷりです。

2人プレイにも対応しているので、3Dになってもいつものようにみんなでカービィを楽しみましょう。

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