前々から気になっていた『虚無と物質の彼女』の体験版が出たのでやってみることに。
『虚無と物質の彼女』は錦の北条さんが1人で制作している3DアクションRPG。
体験版はこちらの錦の北条さんのブログからダウンロード可能なので気になってる方はぜひプレイしてみてほしい。
最初にこのゲームを見つけたのはTwitterで、体験版が公開されたというツイートだった。
「オープンワールド」という文字と現代日本を舞台にしたグラフィック。恐らくオープンワールドだけでは「ふーん」という感想しか出なかっただろう。しかし、現代日本のオープンワールドと少年少女……ありそうでなかったこの組み合わせに私は強く惹かれたのだ。
この組み合わせで私が知っているのは「夏色ハイスクル 青春白書(略 」ぐらいである。もし他にこういうのがあるよというものがあれば是非やりたいので教えてほしい。
OPは流れるように移動するカメラと共にスタッフロールが流れるお洒落な演出でめっちゃ好み。お洒落なクレジット表記と共に退廃的な世界観を魅せつけてくる。
この世界に一体何があったのか、どういう物語が繰り広げられるのかワクワクが止まらない。
えっ突然リアルな夏の学校感出してくるじゃん……。めっちゃワクワクする……!
本作のヒロインであろう月崎さん。声がかすれた感じでめっちゃ可愛い。ちょっとドスが利いてるのがまた良き。
正直もっと明るい感じで始まるのかと思っていたが、わりと暗い感じのスタートでびっくりした。しかし、それもまた良い意味でギャップがありとても先が気になる展開である。
やだもうなんか怖い。絶対これ鬼太郎出るやつじゃん……。PS1のゲゲゲの鬼太郎で見たことあるもん。
画面は全体的にフィルターがかってやや暗めであるが、とくに見づらさは感じない。むしろ退廃的な雰囲気を出していて良い感じだ。
移動に関してはぐりぐり自由に動ける。建物内では視点が固定だが、屋外では視点も自由に動かすことができた。
鬼太郎っぽいとか言ってたら本当に鬼太郎っぽい人が出てきてしまった。ハイパーイケボなイケメンで主人公の親友ポジっぽい感じがする。体験版ではこれ以降あまり出番がないが、どうみても優遇されてるキャラクターなのでプレイアブル化もあるかもしれない。
学校の外は閑散としている。画像は声ありの青柳さん。きっと彼女も製品版では出番があるのだろう。
というかここまで結構ボイスがあるのだが、そのレベルがかなり高い。CVが誰かは分からないが全員プロ級の演技力だ。1人での制作ということだが結構お金がかかっているのだろうか。
ここで突如の急展開、謎の怪物が出てきてスプラッタが発生する。正直突然のことすぎてかなり焦った。
怪物の造詣はわりと生理的嫌悪感が強く、少なくとも近寄りたくはないという感情を隆起させる。SFモノとしては良くできている。そもそもこいつらが何なのか知らないしSFなのかも分からないのであるが。
ここで操作キャラクターが月崎さんに変わり、本格的な戦闘となる。体験版だからか初めから技は揃っており、敵の攻撃を防御やステップで交わしクールタイムを管理しながら技を駆使して殲滅していく。
月崎さんの武器は日本刀で、アクションはなかなかスタイリッシュでカッコいい。ただちょっと気になったのだが、ステップがかなりシュールだった。
個人製作であるし、キャラクターの3D造詣、ましてや動かすとなると非常に難しいのは容易に理解できる。さらに戦闘自体はなかなかスピーディで攻撃・防御・ステップもかろやかに行える。だからこそ連続ステップなどで余計にシュールになってしまっているのだが、厨二心くすぐる技の前では些細なことである。
メニュー画面からは武器の変更・変異成長・スキルツリー・クエストなど多彩な項目が確認できる。
体験版時点では様々な能力があるらしい装備要素や、尖ったスキルを覚えられそうなツリーを見ることができた。
中でも「自転車召喚」はかなり異彩を放っている。当初、ブログなどで見かけた自転車はどうやったら乗れるのかなと色々探していたのだが、どこを押しても出てこない。まさかと思って見てみたらスキルツリーに存在していたのだ。しかも複数人で乗れるらしい項目があったので、製品版ではパーティでの移動もあるのだろう。
見慣れたはずの風景、見慣れない異物、孤独を感じるリアルで無機質な世界観。
正直なところ移動中にバグがあったり粗削りなところが散見されるが、意欲的な作品であることは大いに感じられた。また、このような退廃的な近代を舞台にした作品はゲーム以外においても珍しくなってきている。
体験版は思いのほか短くストーリーもほぼほぼ分からなかったが、製品版が出たらぜひともプレイしてみたいと思える作品だった。
もし、この記事を見て興味があればぜひ作者様のTwitterを追いかけたり、体験版をプレイしてみてほしい。