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『Back 4 Blood』レビュー。現代に再構築されたCo-opFPS【評価・感想】

2021年11月12日

Back 4 Bloodのタイトル画面

今もなおオススメのCo-op(協力)ゲームは何かと聞かれると真っ先に挙がるゲームがある。それがL4Dこと「Left 4 Dead」だ。そしてその2作目である「L4D2」から早12年。ついに精神的続編が2021年10月12日に発売された。

今回はそんなB4Bこと『Back 4 Blood』についてレビューしていく。

本記事はセガさんからレビュー依頼を受けているのでPRになる。元々発売日に購入する気満々だったので依頼を受けるか正直非常に迷ったのだが、レビューを書く頻度が遅いこともあり、気合を入れる意味でも素直に受けることにした。(尚、金銭によるやりとりは一切発生していない)。

対応機種:PC、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X/S

お手軽 Co-op ゲームとしてのB4B

B4Bのマルチ

本作『Back 4 Blood』は最大4人までのマルチプレイで一本道のステージをゾンビを倒しながら進んでいく単純明快なCo-opFPSだ。

通常は「キャンペーン」と呼ばれるいわゆるストーリーモードを進めていく。クロスプラットフォーム対応なので友人集めに苦労はしないだろう。もちろんソロでもプレイできるし、クイックプレイを活用すれば即他人のキャンペーンに乱入できる。その逆も可能なので気兼ねなく気軽にプレイ可能となっている。

B4Bのプレイシーン
B4Bのプレイシーン

そのゲーム性は非常にシンプル。全力で走ってくるゾンビを撃って撃って撃ちまくり、バットやマチェーテでなぎ倒し、手榴弾や火炎瓶で薙ぎ払い、目的地を目指して駆け走る。ただそれだけだ。

だがそれがとてつもなく面白い。

前身である「L4D」は大量に走ってくる敵をただぶっ倒す。それだけでゲームは面白いのだと分からせてくれた作品だ。

もちろん、ガソリンを集めて車を発進させたり助けが来るまで籠城戦を展開するなどのギミックは多少あるが、難しいことを考えることなく唐突に「ゾンビ、撃ちにいくか!」で始められる気軽さこそがこのゲーム最大の魅力である。

B4Bのオーガ

数々のシチュエーションでド派手に銃器をぶっ放し大量の敵をなぎ倒していく。それが面白くない訳が無いのである。

B4Bのセーフルーム

筆者の好きなものに「セーフルーム」がある。セーフルームは安全地帯であり、弾丸などアイテムを補充できる中継ポイントでもある。

道中が険しく激しいゆえにセーフルームに到着したときの安息感はとても大きい。セーフルームに辿り着くことが目的であるといっても過言ではないほど安心感がある。

全員で生還するためにセーフルームまでの道を切り開き、いままだ到着していない味方を扉前で声を張り上げ銃器を乱射し援護する。まさにゾンビ映画さながらのシチュエーションが味わえる。それもこの作品の魅力である。

現代向けに再構築された「L4D」はどう評価されるのか

B4BとL4D2
左は筆者の私物。世にも珍しいパッケージ版PC用L4D2

さて、『Back 4 Blood』を語るうえでL4Dこと「Left 4 Dead」の存在は外すことはできないだろう。

L4Dシリーズの大きな魅力にプレイの気軽さがある。

L4Dシリーズにパークやレベルといった成長やカスタマイズ要素はない。ステージも豊富で様々なものがあるが、基本的に一本道でシンプルだ。操作も撃つ・走る・しゃがむ・リロード・投げる・ギミック起動ぐらいしかない。

だが、だからこそ、いつ誰とでも気軽に「L4Dしようぜ!」の一言で楽しめる。

L4D2のスクリーンショット
L4D2のプレイスクリーンショット
シンプルで分かりやすいUIと画面は感動さえ覚える

意外にもこのような条件を満たしたゲームは少ない。だいたいどこかで成長要素やプレイヤーの練度等が協力プレイの邪魔をしてくる。

ゆえに発売から10年以上たった今でも真っ先に「おすすめのCo-opゲーム」として挙げられ、いまだに愛され続けているのである。

さて、本題である『Back 4 Blood』だが、評判を少し覗くとやはりというか「Left 4 Dead」シリーズと比べてその違いについて述べているものを多く見受けられる。

筆者も嫌な予感はしつつプレイしたのであるが、思いのほかL4Dだなという感想だったので、それも踏まえて現代版に解釈された「B4B」と「L4D」の違いについて語っていこう。

デッキという成長要素はB4Bに何を与えるか

B4Bのデッキ

『Back 4 Blood』では予め様々な効果なもつカードで「デッキ」を組むことができる。中継地点(セーフルーム)ごとにこのデッキから1枚カードを引くことでステータスを強化したり、持てる爆弾の数を増やしたりすることが可能だ。

効果はどんどん重複するのでグレネードポーチをデッキに入れまくれば後半では爆弾を投げ放題というとんでもないプレイも可能となるのである。

カードの順番は固定でランダム要素ではなく純粋な成長要素だと言えよう。

B4Bのカードパック

では、デッキは『Back 4 Blood』にどのような効果をもたらすのだろうか。

私は結論から言って気にしなくてよいと思っている。

まず本作は「L4D」とは違ってステージが大量にある訳ではなくACT1~4までの一本道があり、そこビギナー・ベテラン・ナイトメアの難易度選択があるだけのシンプルなものだ。

そして本作はめちゃくちゃ難易度が高い。前作までは初級者でも何度か数をこなせば難易度を上げてプレイしてみようかと言えたが、今作ではビギナーでさえ油断するとボッコボコにされてしまう。

そしてカードはACTクリアで手に入るポイントを使って半ランダム的に入手できる。

なので多くのプレイヤーは最低難易度を周回してポイントを稼ぐという形になる。実際私は友人と2人でプレイしていたが、道中クイックプレイからプレイヤーが途中参戦で何度も参入してきた。

そんな訳なので、最初のうちは誰もかれもが同じ低難易度を回すことになるし、友人とのプレイもそれは変わらない。なので気軽さは特に失われていないと判断した。

むしろ爆弾魔プレイやヒーラープレイ、近接プレイなど周回の楽しみは増えたと言えよう。

ゲームディレクターは何をもたらし何を無くしたか

B4Bのゲームディレクター

個人的にL4Dと言えば「フィナーレ」だと思っている。フィナーレとは各キャンペーンの最終チャプターで起こる特別なイベントだ。主に時間制限いっぱいまで籠城戦をこなしたり、ステージ中に散らばるガソリンを巨大ゾンビをかわしながら集めて脱出したり、それまでの非にならないほど派手で難しいものとなっている。

ところが本作『Back 4 Blood』にはフィナーレと呼べるものの印象が薄い。似たようなものはあるが、L4Dのようなド派手さはなく、ストーリー上の終着というだけの印象が強い。

代わりとして存在しているのが、ステージにランダム要素を追加する「ゲームディレクター」だ。

L4Dではタンクなどのボスキャラや霧などステージギミックは固定の位置に配置されていた。しかし今作ではそれらが中間地点をクリアするごとにランダムで決定・配置される。

ゆえに厄介なステージギミックとオーガといったボスカードを同時に引くと軽い絶望感が漂う。

『Back 4 Blood』はキャンペーンで選べるステージや、フィナーレなど固定イベントの代わりにランダムイベントで周回に変化をつけさせたのである。

総評:進化ではなく変化

B4Bのフィナーレ

L4D2は完璧すぎるほどに完璧な作品だった。

そして本作はL4Dの精神的な続編であるが、1から2への純粋な進化とは違い、L4Dというシリーズを一度解体し、現代向けに再構築し直したものだと解釈している。

他作品のパーク等ほど他プレイヤーとの格差を気にせず楽しめるデッキ、ステージを増やすのではなくランダムな展開で周回に変化をもたらすゲームディレクター、そして12年の時を経て大きく進化したグラフィック。

『Back 4 Blood』は現代版L4Dとして蘇ったのである。

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