MSI『Optix MAG274QRF-QD』レビュー。量子ドットの赤は予想よりキツいが鮮やかで値段相応に満足の行くゲーミングモニター【評価・比較】

2023年5月3日

MAG274QRF-QDのレビュー用画像。正面から撮ったもの

モニターがとうとう壊れたのでWQHDモニターの『Optix MAG274QRF-QD』に新調しました。

購入してから一ヵ月、良い感じに使えているのでレビューしていきます。

購入するに至った理由、他の悩んだ様々なモニターとの比較も載せていくのでぜひ参考にしてください。

ゲームと映画の両取りを狙える優良モニター

私が今回モニターを購入するにあたって、必須要件は以下としました。

  • 用途はゲームと映画鑑賞
  • 27インチ
  • 解像度はWQHD(2560×1440)
  • リフレッシュレート144Hz
  • 応答速度1ms
  • IPSモニター
  • スピーカーは要らない

対して『MAG274QRF-QD』は以下の通り、

  • 量子ドット採用モニターにより発色良好
  • 27インチ
  • WQHD
  • 165Hz
  • RAPID IPS
  • 応答速度1ms(GTG)
  • スピーカーはついているが性能悪

と要件をすべて満たしています。

RAPID IPSはNano IPSと同等のものとされていて、これも店頭で見たときにとても発色が良かったのでぜひ使ってみたかったものなんですよね。ちなみに有機ELはめちゃくちゃ綺麗で最高でしたが、焼き付きが気になるのでPCモニターとしてはやめておきました。

お値段は6万ちょっとと元々の予算をオーバーしてしまいましたが、モニターはPCパーツで最も長くつきあっていくものなので妥協する理由は特にありません。

ただ詳しく後述しますが「DisplayPort 1.2a」と「赤色の発色が良すぎる」という問題点があります。

スタンド良し。ベゼル良し。台座良し。背面見ないから良し

MAG274QRF-QDの正面

正面からの見た目はシンプルでとてもいいですね。

ゲーミングモニターってわりと癖のある見た目が多いんですよね。モニターはあくまで画面に集中したいので主張しない見た目であることは重要です。

画面下のベゼルも最小限のでっぱりしかありません。斜めにカットが入っているためさらに薄く感じます。

メーカー名も彫っているだけなので主張ゼロです。

この下ベゼルの部分はマジで実物を見た方がいいです。ものすごく出っ張っていたり、メーカー名の主張が激しかったり、画面を見るうえで邪魔でしかないものが多いのでこれは最適解に近いですね。

裏はゲーミングモニターですね。テープを剥がしてないのでもう少しスマートになります。やたら主張の激しい龍が居ますね。あとうっすら光ります。

まぁ背面は見ないので問題ありません。

ちなみに電源は右下下部、設定の操作部位は右下背面にあります。手を伸ばせばささっと操作できる範囲なので快適です。

モニタースタンドはとてもしっかりしています。

下はモニターがほぼ地面にデスクにつくぐらい下げられますし、上に上げればモニターを90度回転させることも可能です。もちろん角度もつけられるので理想的なモニタースタンドと言えますね。

ここも重要なポイントで、モニタースタンドがまったく下に下げられなかったり、あまりにも巨大でデスクを圧迫したり、極端に安っぽかったりするのでよく見ておくことが重要です。

良い台座ですね。ここ結構こだわりポイントでした。

台座がひらべったく、色々載せることが可能です。それでいてデカすぎないので場所もとりません。もちろんまったく揺れません。ちなみにモニターはもっと下げることも可能です。

台座は極端に大きかったり、斜めすぎたり、へなちょこで揺れたりするので超重要ポイントです。

弱点その1「赤色の発色が強すぎる」。この調整方法でOK

MAG274QRF-QDの発色

発色は良い感じです。さすが量子ドット+RAPID IPSですね。美しさが段違いです。

撮影に使わせてもらった動画はRambalacさんの「夜の銀山温泉吹雪・4K HDR」です。

一ヵ月ほど使った感想でいうと、写実的な映像に強いモニターに感じましたね。アニメ的な映像にももちろんとても美しいのですが、その発色の強さからやや過剰な表現になってしまっているかもしれません。個人的には後述する設定で違和感は無くなって快適に使えています。

ちなみにこちらは壊れた旧モニター「LCD-MF276XDB」です。下の方に綺麗に横線が入っているのが分かりますね。こちらもゲーミングモニターではありませんがADSパネルで当時としてはそこそこ良い性能のFHDモニターでした。

それにしてもいくら何でも灯りの色が違いすぎるのでカメラの設定がなにかおかしかった説あります。

MAG274QRF-QDの赤色の発色
これはKeyが誇る神ゲー「ヘブンバーンズレッド」。みんなやりましょう。

これは調整済みなのですが、『Optix MAG274QRF-QD』は購入時点だと赤色の発色がめちゃくちゃ濃いです。

というか濃いというより光り輝きすぎて慣れるのは難しいですね。赤がとくに顕著ですが、原色系はそうなりやすいようです。これは量子ドットの特徴のようで、他にモニターでも同様のようですね。

私の場合は以下に設定することで、赤色の発色が通常ぐらいになるように抑えています。

  • 「ゲーム」→「ゲームモード」→ ユーザー
  • 「イメージ」→「輝度」→ 60
  • 「イメージ」→「コントラスト」→ 63

ぜひ参考にしてみてください。

設定さえしっかりすれば非常に快適でいいモニターですよ。

弱点その2「DisplayPortが 1.2a」。量子ドットでカバー

さてもう1つ、端子が「DisplayPort 1.2a」「HDMI™ 2.0b」という問題が残ります。

何が問題なのかというと、実はこのモニター10億6433万色(10bit)出すことができるのですが、その場合リフレッシュレート120hzまでしか出せなくなります。つまり、165hzと10bitカラーは両立できません。

これはDP1.2の制約で当然HDMI2.0でも両立はできません。これを両立するにはDP1.4やHDMI2.1が必要となります。

4Kでは当たり前なのですが、WQHDモニターではこれを両立しているモニターはあまりありません。

ここは最後まで悩んだポイントなのですが、そもそも10bitカラーに対応しているコンテンツが少ないことと、量子ドットは10bitカラーに匹敵する美しさを誇るモニターなので今回は技術を取ることにしました。量子ドットって響き、ロマンを感じません?

ちなみに、モニター側は8bitで良いのですが、撮影する側の機器は10bitの方がいいです。8bitモニターで映したときでもグラデーションや光の表現がまるで変わります。

弱点その3「スピーカーが貧弱」。使わないのでセーフ

スピ―カーは一応ついてますがかなり貧弱です。無いものとして見た方がいいですね。

私はモニタースピーカーは使わないので問題無し。

他のモニターと比較。なぜ『Optix MAG274QRF-QD』なのか?

死ぬほど悩み倒していろんなモニターを調べに調べて比較しまくりました。

なぜ『Optix MAG274QRF-QD』にしたのか記録を残しておくのでぜひ参考にしてください。

「ASUS VG27AQL1A」と比較

モニターの検討をやりだして一番最初の候補となったモニター。

購入候補となった理由はヨドバシカメラで実機を確認したとき、値段も手ごろでIPSモニターでは発色も明らかに綺麗だったから。

購入をやめた理由は、本当にこのモニターが最良なのだろうかと調べていくとNano IPSなるものがあると知り、どうせ長く使うモニターならば妥協したくないなと他のモニターを検討することになったため。「ASUS VG27AQL1A」自体がやや古いモニターであることも他モニターを検討する理由となったが、この点はあまり関係がなかったなと今となっては思います。

次第に候補からフェードアウトしていったが、目立った癖もなく良いモニターである。2台目を購入するならこれが最有力候補。

「BENQ EX2710Q」と比較

安心安定のBENQ製品。

性能としては申し分ないが、台座がやや派手で目立つのが気になるところ。また、モニターパネルがinnolux製という噂があり、性能的には変わりはないと思いますが長く使うものなので懸念点があるものは避けようという試み。

ちなみにスピーカーがめっちゃ良いらしいです。

Optix MAG274QRF-QDはスピーカーがよろしくないので、スピーカー内臓モニターが欲しい人には超おすすめです。私はモニタースピーカーを使う予定が無かったのも選択肢から外れた理由。

ちなみに「EX2710R」という湾曲タイプのものもありますが、縦向きでも使いたかったので今回は候補に入らず。

「LG 27GN800-B」と比較

安くて性能がよく、これといって不満点は特になし。

ただモニターがただのIPSだったので、今回はNano IPS以上を試したかったこともあり候補から外れました。

スピーカーが内蔵されていませんが、私的には問題無し。

「DELL S2721DGF」と比較

ネット上の評価がめちゃくちゃ高いモニター。

実際スペックに隙が無く、使用されているFast IPSはNano IPSと同等のもので、なんとDP1.4を採用しているので10.7億色の表示色も余すことなく使用可能。しかも安い! まさに最強のモニターです。

気になったのは多くのレビューで「黄色が強い」というコメントがよくあること。

さらに量子ドットはこれ以上の綺麗さだということで、かなり悩みましたが候補から外しました。

今にして思えば黄色や赤色が強いのはNano IPS系の特徴ですね。量子ドットはさらに色が強くなるので赤色がとても強くなります。S2721DGFも設定の変更で調整できたと書かれているので、万能なモニターが欲しい人にはオススメです。

私もサブモニターの候補に入れてます。

「LG 27GP83B-B」と比較

Nano IPS採用で性能的には申し分ありません。

実機で見たときも発色が素晴らしく、Nano IPSモニターにしたいなと思ったきっかけのモニターです。

最大の難点はモニタースタンドが一番下まで下げても15cmあるということ。

高さを許容できなければモニターアームが必須となります。

私はモニタースタンドを使いたかったのでこれによって選択肢から外れました。

「Acer XV253QXbmiiprzx」と比較

プロ格闘ゲーマーのウメハラさんが使用しているモニター。

なんとリフレッシュレート240Hzです。格ゲーマーなんでやはりウメハラさんが良いと言っているモニターは気になりますね!

でもこれFHDで24.5インチなんですよね。どちらかというとFPS向けです。

という訳で今回の使用用途とは合わないので候補から外れました。

なんか知らないが格ゲーでめっちゃ勝てるようになった

ゲーミングモニターに変えてから勝てるようになった

さすがにこれは眉唾物っていうか信じがたい結果なのですが、格ゲーめっちゃ勝てるようになりました。

モニターを変える前後で勝率が目に見えて一気に上がったので否定できないんですよね。

ウメハラさんもモニターを変えてから1フレーム得をしていると言っていたり、EVOJでもモニターの遅延で色々あったのでモニターの影響は少なからずあるのでしょう。私も相手の飛びをいつもより余裕をもって見れている気がします。

今は600hzとかあるようですが、さすがにそれはFPS用でしょうし、普通のスペックではそんなリフレッシュレートまず出せないので少なくとも今は必要ないかなと思っています。

総評

赤色の発色が凄すぎたときはどうなるかと思いましたが、調整したらいい感じになったので満足です。

映画にも映えますし、ゲームはよく見えます。もちろんアニメにも良い感じです。今のところ不満点は無いですね。

5~10年後は4Kになるかも?

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